精神疾患の理解を深めるためのブックガイド

作業療法士経験があり精神疾患かつ発達障害当事者であるけん玉が作る精神疾患の理解を深めるためのブログ

2019-09-05から1日間の記事一覧

神経症性障害①:パニック障害

1. 概要 予知できない強烈な恐れの感情が一過性、急激かつ反復性に起こる状態をパニック発作という。発作が反復するとまた発作が起きるのでないかという持続的な恐れが生じる。これを予期不安という。 発作が特定の場所でおこると患者はそのような場所を避け…

病識理解の重要性について

1. 概要 病気を受け入れて自己変革をするためには、次のようなプロセスが重要となり特に初期段階である病識理解は極めて重要と言われている。 ①病識理解 自分が病気であるという認識をもつこと(障害受容が欠かせない) ②病態理解:病気について知識を身につけ…

うつ病①:診断基準に基づいて

1. 有病率・初発年齢・性差 一般人口におけるうつ病の有病率は、6ヶ月有病率で3~5%、生涯有病率で13~17%(3600万人以上)と報告されている。 発病は児童期から老年期までを含む全年齢層に認められ、平均年齢は20歳代半ばである。またその半数は20~50歳の間…

双極性障害①:診断基準を通した見方

双極性障害は統合失調症と並ぶ2大内因性精神疾患といわれている。 1. 有病率・初発年齢・性差 ・有病率:6ヶ月有病率で0.1%~0.9%、生涯有病率では0.2%~1.7%と報告されており、うつ病に比べてはるかに少ない。しかし、うつ病の診断から双極性障害に診断が移…

統合失調症①:診断基準からみた観点

1. 発現頻度 我が国の生涯有病率は1~1.5%(120万人)とされている。 2. 発病年齢と性差 男女差はないが、発症時期や経過については性差があるといわれている。一般に男性の発病の方が女性の発病より時期的に早いと言われている。最も多い発症年代は、男性が15…