精神疾患の理解を深めるためのブックガイド

作業療法士経験があり精神疾患かつ発達障害当事者であるけん玉が作る精神疾患の理解を深めるためのブログ

2019-09-01から1ヶ月間の記事一覧

神経症性障害②:解離性同一性障害

1. 解離とは 通常、私たちは、自分の存在をつながったひとまとまりのものとして認識している。つまり、過去から現在までの記憶が途切れなく続いていると感じ、自分がどういう人間であるかというイメージをもつことができる。自分の身体が自分のものであるこ…

統合失調症②:病型分類

1. 診断基準 統合失調症は急性期の特徴的臨床症状、発病後の社会的または職業的機能の減退、および症状の持続期間によって診断される。 急性期症状として、 (1)幻覚 (2)妄想 (3)まとまりのない発語(連合弛緩) (4)ひどくまとまりのないまたは緊張病性の行動 (…

うつ病②:症状論

1.症状 A. 感情の障害 うつ状態または抑うつ状態でみられる基本症状は抑うつ気分である。誘因の有無に関わらず、徐々に気分が沈み憂うつになる。また、周囲の出来事が生き生きと感じられなくなり、さらに進むと喜怒哀楽の感情も薄れ、何事にも無感動となる(…

双極性障害②:双極性障害1型

1. 概要 双極性障害1型は入院が必要になるほど激しく、放っておいたら本人の人生が台無しになってしまうほど大変な躁状態そしてうつ状態を繰り返すものである。 2. 躁状態 双極性障害1型は、患者の人生や家庭が破壊されかねない、激しい躁状態がひとつの特徴…

発達障害②:ASD

1. 概要 主な特性は「臨機応変な対人関係が苦手」なことと、「こだわりが強い」こと。具体的には、場の空気が読めない、独特な言葉遣いをする、人に対して一方的な関わりをする、興味の範囲が狭い、手順やルールにこだわるなどの行動がみられる。 2. 診断基…

神経症性障害①:パニック障害

1. 概要 予知できない強烈な恐れの感情が一過性、急激かつ反復性に起こる状態をパニック発作という。発作が反復するとまた発作が起きるのでないかという持続的な恐れが生じる。これを予期不安という。 発作が特定の場所でおこると患者はそのような場所を避け…

病識理解の重要性について

1. 概要 病気を受け入れて自己変革をするためには、次のようなプロセスが重要となり特に初期段階である病識理解は極めて重要と言われている。 ①病識理解 自分が病気であるという認識をもつこと(障害受容が欠かせない) ②病態理解:病気について知識を身につけ…

うつ病①:診断基準に基づいて

1. 有病率・初発年齢・性差 一般人口におけるうつ病の有病率は、6ヶ月有病率で3~5%、生涯有病率で13~17%(3600万人以上)と報告されている。 発病は児童期から老年期までを含む全年齢層に認められ、平均年齢は20歳代半ばである。またその半数は20~50歳の間…

双極性障害①:診断基準を通した見方

双極性障害は統合失調症と並ぶ2大内因性精神疾患といわれている。 1. 有病率・初発年齢・性差 ・有病率:6ヶ月有病率で0.1%~0.9%、生涯有病率では0.2%~1.7%と報告されており、うつ病に比べてはるかに少ない。しかし、うつ病の診断から双極性障害に診断が移…

統合失調症①:診断基準からみた観点

1. 発現頻度 我が国の生涯有病率は1~1.5%(120万人)とされている。 2. 発病年齢と性差 男女差はないが、発症時期や経過については性差があるといわれている。一般に男性の発病の方が女性の発病より時期的に早いと言われている。最も多い発症年代は、男性が15…

発達障害①:診断基準を軸にして

1. 発達障害とは 発達障害の人は、非定型発達と言われており、反対に健常者(発達障害ではない人)は定型発達と言われている。その名のとおり、発達障害の人は、発達の仕方に特徴があり、独特な発達をする。そのため、社会性の特徴、コミュニケーションの特徴…